好きな人とそれ以外

フランスに来てから、少し変わったかなと思う価値観。
それは、男女の友情に対する考え方。
私は基本的に、男女の友情は”無い派”だった。
なんかのタイミングで急に恋に落ちてしまったり、おかしなことになってしまうことはよくあることだと思っていたから。

フランス人男性に対して、恋心のようなものを持ったことは未だにない。
もちろん、持つほど仲良くなっている人がいない、というの一番だけど。
一度だけ、相手からの好意のようなものを感じた男の子がいたが、私はまったくそんな気は無かったし、何も起こらないまま、相手も新しい好きな人を見つけたようだった。

一番影響を与えられたのは、とても仲良くなったフランス人Sだと思う。
顔はめちゃタイプだけど、恋愛対象になることは無かった。
が、連日イチジクをとりに行ったり、自転車でただ爆走したり、一緒に過ごすのはとても楽しかった。
Sには彼女がいて、私も彼女のことを知っていた。
よく話したし、私と出かけることをSも隠したりしなかった。
そして、何より彼女のことが大好きなのがわかっていた。
自分に恋愛感情を向けてこない相手とは、うまくいくのだ。
当たり前だけど、今さらそんなことに気づいた。
彼は私を特別『女の子』として扱ったりもしなかった。
それは、自分にとってとても心地よいものだった。

私が見ている限りだけど、フランスの人たちは”好きな人”と”それ以外”が大きく違っているように見える。
簡単な例を言えばビズが違うし。(恋人同士は口でチューしてること多)
まぁとにかく、その人が一番であることをずっと表現しているように見える。

私はずっと、好きな人(恋人)ほど大事にしてこなかった気がする。
なんでも言える仲だから、ひどいことを言ってしまう。
近すぎる人ほど、自分の一部のようであり、どんどんないがしろにしていっていただろう。
でも、やっぱり、日本でもどこでも、私が大好きだなと思う人たちは、そういう”自分にとって大事な人”をきちんと大事にしている人だ。

自分にとって大事な人、以外の目を気にして生活していくというのは、なんだか変だよなって気づいた、32歳目前!